M&A Timeline — 3D CAD / CAE / PLM — 1995–2026

3D CAD業界は、誰が誰を買ってきたのか

ダッソー、Siemens、PTC、Autodesk、Hexagon、Ansys(現Synopsys)など、3D CAD・CAE・PLMの主要プレイヤーによる主な買収を、買い手ごとのレーンに並べました。点にカーソルを合わせるかタップすると詳細が出ます。

種別
規模
時期
買収 自社製品の投入・節目 大きい点=10億ドル以上(特に大きい点=50億ドル以上) レーン名を押すと、そのレーンだけを一覧に表示
Insights

この年表から見えること

「ファイル」から「データ」へ

CATIA V6(2008年)はファイルベースを離れ、データベース中心・マルチテナントの設計思想を打ち出した。Onshape(2015年)、Autodeskの業界クラウドとグラニュラーデータ(2022〜2024年)も同じ方向を向き、設計データは塊ではなく、APIで部品単位に扱うものになりつつある。

CAMは工具メーカーが買う

Vero(Hexagon、2014年)がCAMの統合を始め、2021年には切削工具大手のSandvikがMastercamとCambrio(Cimatron、GibbsCAM)を相次いで買収した。工具を売る会社が、工具の動かし方(ツールパス)を決めるソフトを押さえる構図。

CAMベンダーはMESへ、工作機械メーカーはCAMの部品へ

OPEN MIND(Hummingbird)やTebis(ProLeiS)は工場の運用管理(MES)を買い、DMG森精機、三菱電機、Kennametalなどの工作機械・工具側は、CAMの部品技術を各社に供給するModuleWorksに出資している。加工のソフトをめぐって、工場側と機械側の両方から陣地の取り合いが起きている。

日本のCAMも再編へ

2025年、CAM-TOOLのCGSホールディングスが、NTTデータ系のSpace-E事業を過半取得した。海外の統合の波(Vero、Hexagon、Sandvik)から10年遅れて、国内でも集約が始まっている。

主力CADは自社開発が多い

CATIA V5・V6、NX、Creo、Inventor、Fusion 360は、いずれも自社で作った製品(白抜きの点)。買収で得たCADはSolidWorks、Solid Edge、Revitなどに限られ、各社とも主力の世代交代は内製で行っている。

CADそのものは、もう買われない

各社が最後に買ったCADは、ダッソーがSolidWorks(1997年)、SiemensがUGS(2007年)、AnsysがSpaceClaim(2014年)、HexagonがBricsys(2018年)、PTCがOnshape(2019年)。それ以降、大型案件はCADの外(解析、EDA、保全、資産管理、臨床)に移っている。例外は会社ごとの買収で、2026年にはSchneiderがPTCの買収で合意した。

DWGは「買う」より「互換」で広がった

AutoCAD互換の流れは、1997年にFTCの判断でAutodeskの手を離れたIntelliCADが源流。業界団体(ODA、IntelliCAD Consortium)を通じて各社の互換CADを生み、2020年にはAutodesk自身がODAに加わった。

2000年前後:CADベンダーの淘汰

Computervision(PTCへ)、SDRC(EDS経由でUnigraphicsへ)、Solid Edge(IntergraphからUnigraphicsへ)と、独立系CADベンダーが大手に吸収された。

2005〜2017年:CAEの取り合い

Abaqus(ダッソー)、Fluent・Ansoft(Ansys)、Moldflow(Autodesk)、CD-adapco(Siemens)、MSC(Hexagon)と、解析ソフトの独立系がほぼ買い尽くされた。

Siemensは「電気とソフト」へ

UGS(2007年)でCADを得た後、Mentor Graphics(EDA)、Mendix(ローコード)、Altair(解析・データ)と、機械設計の外側を大型買収で固めている。

電機・制御メーカーがPLMを買う

工場の自動化機器を売る会社が、設計ソフトを取りに来ている。Siemensは2007年にUGSを買い、Schneiderは2023年にAVEVAを完全子会社化したうえで、2026年にPTCの買収で合意した(約226億ドル)。製品の設計データと、工場の運用データを同じ会社が握る構図に近づいている。

2024年以降:半導体設計の会社がCAEを買う

SynopsysがAnsysを約350億ドルで、CadenceがBETA CAEを買収。シミュレーションが、EDA(半導体設計)とつながり始めている。

機械と電気の境界が溶ける

機械側が電気を買う動き(SiemensのMentor、2017年)から始まり、両者の上流にあるシステム設計(MBSE)の買収(ダッソーのNo Magic、図研のVitech、いずれも2019年)を経て、電気側が機械の解析を買う段階(CadenceのBETA CAE、SynopsysのAnsys)に入った。EVやADASのように、機械・電気・制御ソフトをまとめて検証しないと製品が成り立たなくなったことが背景にある。

一覧

年対象買い手(レーン)種別内容金額

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作成:BtoBマーケティング研究所(2026年10月時点の公開情報にもとづく)
出典:各社の発表・年次報告、CGSホールディングス・NTTデータエンジニアリングシステムズ・図研・ゼネテック等の沿革およびIR、Sandvik・Hexagon・ModuleWorks・OPEN MIND・Tebisの発表、Sandvik・Mastercamのプレスリリース(2021年)、Schnitger Corporation(Sandvik、Hexagon/ESPRITの各記事)、Autodesk「Acquires HSMWorks Technology」(2012年)、AEC Magazine「Autodesk’s granular data strategy」(2024年7月)、Autodesk Platform Servicesブログ、ZWSOFT「15th Anniversary」、Graebert「DraftSight co-developed with Dassault Systèmes」、Deelip.com(2010年6月)、Wikipedia「IntelliCAD」、Artem Boiko「The struggle for open data in the construction industry」(DWGの歴史)、Hexagon「Bricsys買収」報道(2018年10月)、Wikipedia(Dassault Systèmes、Siemens Digital Industries Software、PTC、Autodesk、Hexagon AB、Ansys、Synopsys、Cadence Design Systems)、PTC「Completes Divestiture of Kepware and ThingWorx Businesses」(2026年3月)、Axios「Schneider Electric buying PTC for $22.6 billion」(2026年10月5日)、各種報道。
金額は発表・報道ベースの概数(ユーロ・ポンド建ては概算でドル換算)で、非公表のものは空欄です。年は原則として完了年(大型案件は内容欄に発表年を注記)。一部に未確認の年・金額を含むため、引用の際は各社の一次情報をご確認ください。
CAD・CAE・PLM・製造ソフトに関わる主な案件に絞って掲載しています。各社の全買収を網羅したものではありません。点の色は買い手ごとの配色で、各社のコーポレートカラーを参考にした目安です。

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