あなたの会社の「構造的マーケ難度」は?
note新連載「Risk Reduction Marketing Model(RRM)」開始記念号。中心命題「製造業BtoBマーケティングの本質は需要創出ではなくリスク低減である」の全体地図と、自社の"構造的マーケ難度"を10秒で測れる8項目チェックリストをお届けします。
こんにちは、BtoBマーケティング研究所の伊藤宏隆です。
件名の問いに心当たりがある方は、本号の最後にある 8項目チェックリスト をぜひ使ってみてください。ご自身の会社が「マーケティングが構造的に効きにくい環境」にどれだけハマっているかを、10秒で一瞥できます。
狙いたい業種・役職からの登録が、いつまで経っても増えない。商談は進んでいるように見えるのに、稟議前で静かに止まる。THE MODELを参考にしたが、うちの業態には合わなかった——製造業B2Bで繰り返されるこうした状況は、担当者の能力でも予算でもなく、構造的な問題です。
そしてこの「構造」を正面から見つめ直す試みとして、先週noteで新連載 「Risk Reduction Marketing Model(RRM)」 をスタートしました。全6回、月2本ペースで3ヶ月ほどお届けします。
このメルマガの役割もひとつ、先にお伝えします。
メルマガは"地図"、noteは"探検"です。
メルマガでは連載の全体像と、自社に当てはめる 実務チェックリスト をお届けします。理論の深い展開や事例は、noteでじっくりお楽しみください。
今号は、序文と連載第1回を束ねてお届けします。
中心命題を一行で
「製造業BtoBマーケティングの本質は、需要創出ではなくリスク低減である」
これがRRMの中心命題です。これから6回かけて、この命題を既存理論との接続・実証データ・現場検証を通じて立体化していきます。
序文の核:なぜ製造業B2Bでマーケが効きにくいのか
製造業B2Bで「マーケを強化しよう」と話すたびに、同じ壁にぶつかります。狙いたい業種・役職のリードが溜まらない、商談は進んでも稟議前で静かに止まる、THE MODELは合わない——。
原因は担当者の能力でも予算でもなく、構造的に"マーケが効きにくい条件"が揃いすぎているからです。序文では8つ挙げていますが、本質は3つに凝縮できます。
製品が「仕様」ではなく「案件」で売れる(個別要件・個別見積もり・個別立上げ)
失敗コスト(ライン停止・リコール)が導入コストの10倍以上ある から意思決定が保守的になる
販売が多段チャネル構造(商社・SIer・工事会社) を経由し、エンドユーザーの声が届かない
8条すべてを貫く構造は、ひとつです。「買い手が価値最大化ではなく、リスク最小化で動いている」。
では、残り5つは何なのか? そして、この8条はなぜ同時に揃ってしまうのか?
▼ 続きを読む(note・序文)
📖 残り5つの条件/8条が同時に揃う歴史的背景/「だから何を変えるべきか」
👉 https://note.com/btobmarketing/n/n9fa5cfd84e2a?utm_source=newsletter&utm_campaign=no13
(読了目安:約7分)
⭐ 今月の必読:連載第1回「既存のBtoBマーケ理論は、なぜ製造業で使えないのか」
(公開:2026-04-22)
序文が「現場で何が起きているか」なら、第1回は 「なぜ既存理論では救えないのか」。Webster & Wind(1972)、Sheth(1973)、Buygrid(1967)、Gartner B2B Buying Journey、THE MODEL——国際的・国内的に参照される主要理論を横断レビューして見えたのは、6つの構造的空白でした。代表3つを挙げます。
リスク自体が設計対象になっていない
日本の稟議・根回しが前提から抜けている
ステークホルダー別のリスク構造が空白
これは「理論の不備」ではありません。研究対象の暗黙の前提が、日本の製造業B2Bに合っていなかった、という話です。
だから必要なのは、既存理論のローカライズではなく、新しいフレーム——これが、これから6回かけて組み立てていくRRMの役割です。
では、残り3つの空白は何か? THE MODELやGartnerと、RRMは具体的に何が違うのか? そしてなぜ「日本の製造業B2B」という特殊条件が、これほど理論の盲点だったのか?
▼ 続きを読む(note・第1回 / 今月の必読)
📖 6つの空白の全体像/主要5理論との差分比較表/RRMが埋めようとする3つの断層
👉 https://note.com/btobmarketing/n/na7bf859bbb75?utm_source=newsletter&utm_campaign=no13
(読了目安:約10分)
序文と第1回を貫く論理
現場はリスク最小化で動いている。でも既存理論はリスクを設計対象にしていない。
だから、マーケティングの役割そのものを書き換える必要があります。
❌ 従来:「購買を前進させるためのコンテンツ」
✅ RRM:「停止させうる拒否権者の不安を、一つずつゼロにしていくコンテンツ」
この転換を、これから6回で実装していきます。
そしてもう一段、実装のレイヤーで重要な原則があります。リスク低減は、売り手が一方的に実行するものではなく、買い手と一緒に社内の困難を解いていく「価値共創(Value Co-Creation)」として設計される、という考え方です。連載が進むにつれ、この実装設計原則が徐々に姿を現していきます。
📋 メルマガ独自付録:自社の「構造的マーケ難度」8項目チェックリスト
以下に3つ以上「はい」がつくなら、既存理論ベースの施策は機能しにくい環境です。noteには載せていません。
[ ] 製品が「仕様」ではなく「案件」で売れている
[ ] 商談の意思決定者が5名以上関与する
[ ] 失敗コストが導入コストの10倍以上ある
[ ] 販売が商社・SIer・工事会社を経由している
[ ] 「売れる理由」がベテラン営業の脳内にある
[ ] CRMの失注理由が「価格」「他社」しか残らない
[ ] 価値の中心が「製品性能」ではなく「導入・運用・保守」にある
[ ] 価格表がない/比較が顧客側で困難
診断結果のシェア、歓迎です。このメルマガへの返信で「うちは7つ該当しました」程度のご報告をいただければ、今後の連載で扱うテーマの参考にさせていただきます。
連載の今後(月2本ペース)
第2回(2026年5月中旬)|Buying GroupからBuying Consensusへ
第3回(2026年5月下旬)|不安カタログという発想
第4回(2026年6月上旬)|行動経済学で読み解く最終決断のトリガー
第5回(2026年6月下旬)|見積もりは最初から決まっている — 出来レースの正体
第6回(2026年7月)|【DX失敗の真因】150年の商社モデルの罠
7月で連載完結、8月以降はPhase 2(実証と検証)に移ります。
次号予告(No.14 / 2026年6月1日発行)
連載第2回(Buying Consensus)と第3回(不安カタログ)を束ねた 「日本の購買合意と、その地雷地図」 号。独自付録として、稟議・根回し3フェーズ × 効くコンテンツタイプ対応表 を予定しています。
それでは、新しい連載、どうぞよろしくお願いいたします。
BtoBマーケティング研究所
代表 伊藤宏隆
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バックナンバー:https://hiropon.org/newsletter
note連載トップ:https://note.com/btobmarketing/all?utm_source=newsletter&utm_campaign=no13
